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『新撰名著復刻全集 近代文学館』の中でひと際目立つのが、与謝野晶子氏著『みだれ髪』です。 四六判変型どり(短冊ふう ヨコ8センチ、タテ19センチ)、三つ目綴じ。 扉に次のような記述があります。 この書の体裁は悉く藤島武二先生の 意匠に成れり 表紙画みだれ髪の輪郭は恋愛の矢の ハートを射たるにて矢の根より吹き 出でたる花は詩を意味せるなり 藤島武二氏の挿絵は、「恋愛」「現代の小説」「白百合」「春」「夏」秋」「冬」と七葉あります。「みだれ髪」の目次は 「臙脂紫」「蓮の花船」「白百合」「はたち妻」「舞姫」「春思」となっています。奥付を見ますと、 著作者 鳳 晶子 発行所 東京新詩社 明治三十四年八月十五日 その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの 春のうつくしきかな 清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人 みなうつくしき やは肌のあつき血汐にふれも見でさびし からずや道を説く君 乳ぶさおさへ神秘のとばりそとけりぬこ こなる花の紅ぞ濃き 春みじかし何に不滅の命ぞとちからある 乳を手にさぐらせぬ 人間解放の近代のいぶきが迸っています。このあと鳳氏は与謝野鉄幹氏と結婚し、九児の母となりました。 明治三十七年九月号の『明星』に発表した、日露戦争に従軍している弟を案じた詩「君死にたまふこと勿れ」は、純粋な真情を発露させた反戦歌です。 本の寄り道ついでに、、に与謝野晶子氏の『新訳源氏物語』(全四巻)について、吉本隆明氏は次のように述べておられます。 ……ぼくらみたいな素人は、まともに原文で読むのは時間のロスだから『源氏物語』は現代語訳で読んだほうがいいと思います。それで十分理解できるはずです。 では、だれの現代語訳がいいかといえば、ぼくは与謝野晶子の訳がいちばんいいと思っています。 与謝野さんの現代語訳は、原文では連綿とつづいている文章をブツブツ区切って自分の文体にしています。 明治時代の町家の娘さんというのは日ごろから『源氏物語』を読んで親しんでいたんじゃないでしょうか。声に出して読みながら『源氏物語』を体で読み込んでいた。与謝野さんの訳は、いかにもそう思わせるような現代語訳になっています。つまりあの人は、言語学的に正確に読むというより、音声と文章の意味を綯い交ぜにしたような感覚で読んでいって、『源氏物語』を身につけた人だと思います。ぼくはそう解釈しています。 いまは国文学者が書いた研究所や注釈書もいろいろそろっているし、作家の手になる現代語訳も現在に近いほど正確になっているように思います。それでもぼくは、谷崎(潤一郎)さんや円地文子さんのものよりも与謝野晶子のもののほうがほんとうらしいのではないかと思っています。(吉本隆明著『日本語のゆくえ』 光文社 2008年2月15日2刷り発行) ミサイルも空爆機もない虹の空 |
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アットランダム通信様 コメント有難う御座いました。本日の(みだれ髪)の |
射手座 2008/07/30 20:40 |
みみさん、(もう、はじめましてでもないので、「さん」づけをお許しください)。コメント恐れ入ります。拙ブログは、単なる自己確認にすぎません。 |
アットランダム通信 2008/07/31 17:23 |
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